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ジャパニーズ・ウイスキー
の現在地

伝統と革新を兼ねそなえる
日本の蒸留所が大人気

日本とウイスキーの接点は、1853年のこと。黒船で日本に来たマシュー・ペリーが、日本人にウイスキーをふるまった記録が残されています。1923年からは国内で生産されるようになり、初となるジャパニーズ・ウイスキー『サントリーウヰスキー』が誕生しました。

ジャパニーズ・ウイスキーがつくられるようになって100年。ジャパニーズ・ウイスキーの高い品質は世界で評価され、人気も高まり続けています。その人気に比例して、日本国内にも多彩な個性を有する蒸留所が増加し世界的な評価を得ています。
2010年に国内8箇所だったウイスキー稼働蒸留所数は、2019年には41箇所に増加。さらに2023年末には、未稼働の蒸留所を含め114箇所を数えるまでになりました。 これは、ジャパニーズ・ウイスキーの国内外における人気の証明であると同時に、日本は今や、ウイスキーの世界的な生産地にまでなろうとしている。

2010年から2023年の国内蒸留所数の変化 8:2010年 → 114:2023年

日本全国に点在する
ウイスキー蒸留所

日本の47都道府県のうち、鹿児島県の10箇所をはじめ日本全国にウイスキー蒸留所が誕生しています。サントリーやニッカウヰスキーといったジャパニーズ・ウイスキーの先駆者のほか、これまでに日本酒や、焼酎などを手がけてきた伝統と技術をあわせ持つ酒蔵が、新たにジャパニーズ・ウイスキーを製造するケースも近年では多く見られます。

現在ウイスキー蒸留所は、図からもわかるように、日本の北から南まで、多様な場所でウイスキーが製造されています。 ジャパニーズ・ウイスキーは、さらに大きなブランドへと進化し続けているのです。

※参考文献:JAPANESE WHISKY YEAR BOOK 2024

ジャパニーズ・ウイスキー
という定義と分類

スコッチ・ウイスキーには、
「アイラ」「スペイサイド」「アイランズ」
「ハイランド」「ローランド」
「キャンベルタウン」という
生産地区分による6つの分類があります。
一方でジャパニーズ・ウイスキーには、
生産地区分による分類は現時点ではありません。
ジャパニーズ・ウイスキーについては、
以下のように分類できます。

ジャパニーズ・ウイスキーの
個性を味わう

ジャパニーズ・ウイスキーには、次のような定義が設けられています。
・原材料は、麦芽、穀類、国内で採水された水に限り、麦芽は必ず使用する
・糖化、発酵、蒸留は、国内の蒸留所で行う
・内容量700ℓ以下の木製樽に詰め、国内において貯蔵
・国内で容器詰めし、充填時のアルコール分は40%以上…など

また、先述のスコッチ・ウイスキーとは異なり、日本では生産地ではなく蒸留所の特性によって区分されることが多く、現在では大きく次の4つの区分が挙げられます。
①酒造りにおいて長い歴史を有する「日本酒メーカー」による新設
②蒸留に関する知見と技術を併せ持つ「焼酎メーカー」による新設
③酒やウイスキーづくりを手がけていない「異業種」からの参入
④投資や新しいウイスキーづくりを目指す「外資」の参入


日本酒の生産で醸造の技術を持つ①や、焼酎など蒸留に関する経験を有する②といった日本の伝統的な酒造りを担ってきた蒸留所のほか、ジャパニーズ・ウイスキーの人気に目を付けた③や④の新参の存在も新規参入の分類として、新たな風を吹かせています。

このように一応の区分はできるものの、共通するのはそのどれもが熱い想いやこだわりの技術を駆使することで、独自のジャパニーズ・ウイスキーを生みだしているということ。日本生まれであることは同じものの、ジャパニーズ・ウイスキーと一言で言っても、それぞれ個性は大きく異なります。その個性を表すのが、風味に大きく影響する「水」「原料」「発酵」「蒸留」「熟成」という、5つのキーファクターです。

100の蒸留所があれば、100の個性があります。この5つのキーファクターの一つひとつにこだわり、独自の手法を駆使して高いレベルでウイスキーづくりに生かしていることが、ウイスキーを味わう上で重要なポイントとなります。

個性を際立たせ
無二の味を創出する
「熟成(樽と、ウィスキーの熟成環境)」

先ほど紹介した、風味に大きく影響する「水」「原料」「発酵」「蒸留」「熟成」という5つのキーファクターの中でも、「熟成」は特に独自の味や香りを創造していく上でとても重要なものとなります。

長期間熟成させる樽の材質について、また、内側の焦がし具合の程度や、かつてその樽には何が何年入っていたのか、さらには、その樽を保存する環境 など、一つひとつの細かな要因が組み合わさって、仕上がりが大きく異なります。

その意味では、焼酎や泡盛を手がけている蒸留所は樽を熟知していることもあり、その風味もひと味違うのかも知れません。しかし「樽」だけでなく、流麗な「水」、こだわりの「原料」、培った知見を生かした「発酵」や「蒸留」も、どれ一つ無視することはできません。5つのキーファクターが揃って初めて、素晴らしいウィスキーの味わいが完成するのです。

5つのキーファクターを高レベルで叶え、
ジャパニーズ・ウイスキーを体現する
ウィスキーブランド5選

「水」「原料」「発酵」「蒸留」「熟成」の
すべてにこだわり抜き、
個性を生かしたその蒸留所ならではの
ジャパニーズ・ウイスキーを生みだす、
5つの蒸留所をご紹介します。

マルス駒ヶ岳蒸溜所・マルス津貫蒸溜所

南九州の名門、本坊酒造を母体とするマルスウイスキー。かの竹鶴政孝を英国に送り、竹鶴ノートを受け取ったとされる岩井喜一郎氏によるポットスチルの設計から始まりました。その老舗が長野県駒ヶ岳に設立したのが「マルス駒ヶ岳蒸留所」、そして地元鹿児島に誕生させたのが「マルス津貫蒸留所」。どちらもその土地ならではの気候風土を最大限に生かしながら、オリジナリティあふれるウイスキーを製造しています。

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御岳蒸溜所

鹿児島県吹上町の地で、唯一無二の酒造りを手がけている老舗「西酒造」。1845年(弘化2年)の創業以来、焼酎、ジン、ウイスキー、日本酒、ワインと幅広い種類の酒を製造し、そのどれもが一流品として高い評価を得ています。その西酒造が「これぞジャパニーズ・ウイスキー! と堂々と言えるものを生みだす」という想いで、御岳蒸留所を2019年に完成させました。この御岳蒸留所について、次から詳しく紹介します。

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ニセコ蒸溜所

新潟県魚沼市で1922年に創業した八海醸造が、グループ会社の一つとして2019年にニセコ蒸留所を設立。南魚沼で酒米を使用したライスウイスキーの製造を経て、よりウイスキー造りに向く気候であるニセコを拠点としました。ニセコアンヌプリと羊蹄山に抱かれ、豪雪地ならではの上質な水に恵まれたニセコ町の地下約100mから汲み上げた水を仕込み水に利用しています。

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月光川蒸溜所

山形・庄内の地に蒸溜所を構え、美しく流れる澄んだ清流のようなピュアでエレガントなウィスキーを造る月光川蒸留所。「山形・庄内から世界へ」を合い言葉に、山形県酒田の老舗である盾の川酒造が2023年に創業した。山(鳥海山)・川(月光川)・海(日本海)の恵み・素材を多数活用し、洗練されたきめ細かさと透明感を大切にしたジャパニーズ・ウイスキーを生みだしている。

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